買収(買い手)のメリット
最大のメリットは、時間をかけずに人材やノウハウを獲得できる
M&Aは、優秀な人材やノウハウなどを獲得するすることができ、自社で人材育成を行ったり、ノウハウを積み上げたりする時間を短縮し、即座に目的の事業に参入できます。
企業が新事業分野に進出しようとする場合など、新しい未開発の技術の習得や販売網を確保することに加え、人材の確保などが必要になります。地域に店舗・工場を設置しようとすれば、土地建物の購入や賃貸、改善工事、従業員の雇用、取引先の開拓など多くの手間を要します。M&Aを活用すれば自ら経営資源を投入して、事業を立ち上げる時間と労力を省くことができます。
既存事業との相乗効果(シナジー)が可能
企業同士の双方の販売チャンネルに、双方の商品をのせて販売力を強化したり、配達ルートを整理して効率化することができます。
- 販売チャンネルを共有
- 配達ルートを効率化
- ノウハウを共有
- リソースを活用
売り手が同業や周辺分野の会社であれば、シナジーを計算しやすい。
M&Aは買収企業が経営資源を有効に活用し、双方の企業価値を高める手段で、経済全体を活性化させる機能を持ちます。
M&Aでは組織を取得できる
企業は「人」、「物」、「金」などの経営資源は、労働市場、製品・サービス市場、金融市場などの様々な市場で調達されます。M&Aの市場はそのような経営資源を即座に調達できる方法と言えます。
組織には、物質的な資産のみならず、従業員という人的な資産が含まれます。企業の組織には固有の文化もあり、「人」と「文化」を統合するマネジメント能力が求められます。
事業の拡大、多角化ができる
経営環境の変化に応じて最適な事業領域は常に変化するため、競争戦略は特定の事業で競争を優位にする戦略が求められます。経営戦略やニーズにマッチした企業をM&Aで買収することによって、事業の多角化や弱い事業部門の強化を行うことができ、事業領域の拡大ができます。
売り手のメリット
M&Aには金銭面以外でも大きなメリットがあります。事業承継とM&Aを比較しても、M&Aの方が有利なことが多いです。
- 後継者を広く外部に求めつことができる
- 従業員の雇用を継続できる
- 取引先との関係を維持できる
- 買い手企業とシナジーにより事業の発展が期待できる
- 会社の財務が安定する
- 「手残り」を最大限にすることができる
親族などの後継者に継がせるか、他の会社に売るか、どちらだけで考える必要もありません。事業の一部をM&Aで売って、残した事業を親族に継がせることもできます。また、利益の出ている本業の事業を売却し、それによって得た資金を基に残った事業に経営資源を集中させることで、社長がやり遂げたい事業を人生の生きがいにすることもできます。
M&Aのイメージが変わっています。
M&Aのイメージが変わりつつあります。日本ではいまだに業績好調な会社に敵対的M&Aを仕掛けけるマネーゲームを連想する人が多いようにようです。そのようなマイナスの側面は近年少なくなってきています。M&Aは企業の競争力、企業再生のため、事業承継の問題の解決策として、有効的なM&Aが爆発的に増えています。
M&Aは中小企業にとっても経営戦略の一環で、オーナー社長の資産対策の手段でもあります。
買い手⇒発展途上の企業を手に入れ事業拡大
売り手⇒売却資金を手に入れハッピーリタイヤ