ファイナンスの本でDCF(ディスカウントキャッシュフロー)を勉強しているとNPVとIRRについて解説でよく「IRRとは、NPVをゼロにする割引率」と出てきます。
なんともわかりづらい言い回しだな・・・。と思ってしまいます。
NPV(Net Present Val正味現在価値)の意味。まずはPVの計算をやってみましょう。
NPV(Net Present Value:正味現在価値)とは、初期投資を含めた、将来のキャッシュフローの現在価値(PV:Present Value)の正味合計額(Net)です。
まずPVの計算を簡単な数字でやってみましょう。
1年後に115円に受け取る現在価値はいくらでしょうか。
Net=正味
Present Value =現在価値(PV)
初期投資は現在価値そのものなので、そのまま引けばよいです。
NPV(正味現在価値) =現在価値( PV )- 投資額
その投資の意思決定を行う判断に用いられます。
- NPVがプラスとなる投資は実施する
- NPVがマイナスとなる投資は実施しない
NPVがプラスの値であれば、そのプロジェクトを実施するとプラスの現在価値を企業にもたらすことを意味します。
現在価値(PV)については次のDCF(ディスカウントキャッシュフロー)のページで解説しています。↓
IRR(Internal Rate of Return 内部収益率)とは利回りのこと
IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)は、様々な投資について予測利回りが判断できる指標です。
Internal=内部
Rate of Return=利益率
いわゆる「利回り」のことですが、一般的な「利回り」と違い、キャッシュフローが一定しない事業や期間が異なるの投資商品の比較検討に用いられます。
- IRRが期待するレートを上回る投資は実施する
- IRRが期待するレートを下回る投資は実施しない
IRRをエクセルで計算する場合はこちらのページを参照してください↓
「IRRとはNPVをゼロにする割引率」って何?
多くのファイナンスの本などで、IRRとは「NPVをゼロにする割引率である」と説明されます。
この説明を聞いてもなんだか「回りくどい言い方だな」と感じてしまいます。
頭が混乱するような定義を理解するコツは簡単な数字で考えてみることです。
100円を投資し、1年後に115円になる利回り:IRRは15%になります。
これをIRRの定義である「NPVをゼロにする割引率」によってIRRを計算してみると以下のようになります。現時点で、割引率がわからないので仮にr(%)としておきます。
r(%)について解けば割引率は15%となります。
また、IRRの15%をNPVの「NPVをゼロにする割引率」に算入しても、同じようなことになります。
このように投資利回りであるIRRとは、「NPVをゼロにする割引率」ということが言えます。
ファイナンス、DCFやNPVの勉強においては、この1冊で十分です。投資・調達の判断に不可欠なファイナンス理論と、事業構想を具体的な数字に落とし込む力、ビジネスの基礎がやさしく学べます。
ビジネススクールで身につける ファイナンスと事業数値化力―ポケットMBA〈6〉 (日経ビジネス人文庫)
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まとめ
NPVをエクセルで計算する場合はこちらのページを参照ください↓