ファイナンスには、大きく分けると2つの領域があります。
1.コーポレートファイナンス(企業財務)
- 事業投資の意思決定
- 資金調達の意思決定
- ペイアウト(支出、支払金)の意思決定
インベストメントマネジメントはポートフォリオ分析など投資家の視点からリスク、リターンを分析したりポートフォリオ戦略を意味しています。
2.インベストメントマネジメント(投資管理)
- 投資家の選好とリスク
- ポートフォリオの選択理論
- 証券市場の均衡価格
コーポレートファイナンス(Corporate finance)=企業の財務を意味します。広義の金融論や財政学でなく、個々の企業経営についてお金の視点から思考することです。
「コーポレートファイナンス」は言葉が長いため、一般には「ファイナンス」と略して呼ぶことが多いです。そのため「資金調達」だけを想像してしまいますが、そうではありません。単なるファイナンスではなく、「コーポレートファイナンス」すなわち企業体の財務に関する分野です。
投資(インベストメント)があるから資金調達が必要になるます。投資家からすれば、その企業が保有する事業に魅力があるから資金を提供するのです。
コーポレートファイナンスはこの投資と資金調達を定量的に評価し、それぞれの最適な意思決定を行なうことをいいます。
投資とは設備投資、研究開発、マーケティング、人材。M&A、不動産などに対するあらゆる投資を意味します。
事業投資の意思決定
まず重要なのは、事業プロジェクトを財政的に評価、分析して経営の意思決定をすることです。小売業で新規店舗を出店するケース、M&Aにに関する意思決定などに直面した際に、財務的な評価を行う必要が生じます。
- 企業の活動は資金を投資家(株主、金融機関など)より調達してくることから始まります。
- 調達したキャッシュは事業に投資します。
- 投資そのものが目的でなく、あくまでも投資からリターンを得ることが目的です。
- そのリターンを投資家に還元される。
- 継続企業として次の投資に振り分けされることもあります。
DCF法によって投資の正味現在価値(NPV)を推定し、投資を実行すべきか否かを判断するのが、標準的な方法となっています。当然、財務的な評価だけでなく、競合他社への戦略、長期的な技術動向などより踏み込んだ経営判断が求められることもありますが、投資プロジェクトに見合った割引率を用いて、将来キャシュフローの割引現在価値を推定して、当初の投資額と比べるといった思考はいつの時代の経営では重要なこととなります。
コーポレートファイナンスは、資金調達だけの話ではありません。投資と資金調達の両者を定量的に評価し、その最善な意思決定をおこなうことに目的があります。
企業価値を高めるには
「フリーキャッシュフローの向上」と「資本コストの低減」=企業価値向上
これを永続的に高めるような活動が企業活動の目的でこれが実現できれば、株式配当を通じて適正に株主の価値向上に結び付き従業員の雇用も安定し、報酬も増えることになります。株主も満足で従業員も満足。
ファイナンス分野を掘り下げ事業計画に落とし込み企業価値を高める。
どのような企業でも経営理念を掲げ、実現したいビジョンを持っています。雇用の提供、報酬の提供も企業の役割でもあります。しかし、これらの役割を実現するためには、企業活動を営むための資金を投資から調達することが絶対の条件となります。
どうのうな企業でも投資から預かった資金の価値を高めなければなりません。株主という投資家、または金融債権者の価値を高めることが、企業価値を高めることにつながります。